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ソルトコーヒーブログ

コーヒーに関することの豆知識や日記など書いていきます。

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第三の波、日本の珈琲文化、ハリオ式
はじめに

父がコーヒー好きで、仕事に出かける前の朝の一杯(マニュアルペーパードリップ)、夕食後の一杯(コーヒメーカーによるドリップ)という儀式を毎日見て育ったにもかからわず「コーヒーを飲むと頭が痛くなる」という理由(今となっては本当かどうか分からない)で、私は長い間いわゆる「お茶党」であった。私が頻繁にコーヒーを飲むようになったのは26歳でロンドンに引っ越してからで、それもヨーロッパで一般的なストーブトップ式(イタリアでは一家に最低一台あるというあのビアレッティのアルミ製)で淹れた過抽出気味のコーヒー(エスプレッソと混同されることがあるが別物)を、暖めた牛乳で薄めて飲むというかなりいい加減な飲み方であった。本当にコーヒーに目覚めたのは今年(2012年)に入ってから、齢30過ぎにしてようやくである。妻の実家にたまたまあったコーヒー豆(スーパーで売っている何の変哲もないアラビカ種)を、興味本位でソビエト時代から家にあるというプロペラ式のミルで挽いてボダムのフレンチプレスで淹れて飲んだところ「おおっ」という今まで味わったことの無いうまさだったのが始まりで、それ以降は地元の焙煎屋探しから始まって、ずるずるとこの道にはまっていった。その過程で発見したのが、「日本のコーヒー文化が海外(主に北米・北欧・韓国・台湾)で大流行」という事実である(もっともこれはコーヒーオタク(coffee geeks)の間だけでの話で、定量的なデータの裏付けも無いのでその辺を割り引いて読んでいただきたい)。

「第三の波」

アメリカでコーヒーと言えば、(1)ダイナーなどで提供されるお替わり無料の薄くて不味いコーヒーか、(2)いわゆるシアトル発のイタリアのコーヒー文化に触発されたスターバックス等によるエスプレッソと牛乳を混ぜた飲み物が主流だったのだが、近年コーヒーの「第三の波」というのが来ているらしい。これは英語のWikipedia(Third Wave Coffeeの項目)では、コーヒーを大量消費される普通の食材(小麦等)ではなくワインのような嗜好品として提供しようという運動のことであると定義されている。詳細はWikipediaに譲るが、要するに第三の波とは:

産地での品質向上の取り組み
産地との直接取引
マイクロロースティングといわれる小規模焙煎店による焙煎
ブレンドではなくストレートで飲むことを推奨する
サイフォンやマニュアルドリップ式等のエスプレッソ以外の抽出方法の見直し
というような流れの総称らしい。ここまで読んでおっと思うのは、殆どの項目(おそらく(1)と(2)をのぞいて、これについては後述)は、日本のいわゆる喫茶店がスタバ上陸以前からやっていたことと似ているということだ。それもそのはずで、実はシアトル発第二の波がイタリアのコーヒー文化の影響を受けているように、第三の波は日本の喫茶店文化の影響を受けているらしいのだ。第三の波を代表する焙煎屋/カフェはアメリカ各地にできつつあって、オレゴン州ポートランド発のStumpton Coffee Roaster、イリノイ州シカゴ発のIntelligentsia Coffee & Tea、ノースカロライナ州ダラム発のCounter Culture Coffee、カリフォルニア州サンフランシスコ発のRitual Coffee Roasters、これまた州オークランド(サンフランシスコの隣町)発のBlue Bottle Coffee Companyなどが有名どころであるが、最後のBlue BottleのオーナーのJames Freeman氏は、第三の波に対する日本の影響についてSan Francisco Weeklyとのインタビューで以下の様に語っている:

「東京には1920年代から素晴らしいコーヒーがあり、多くのインスピレーションを与えてくれるということに気づき始めているコーヒーマニアがいます。以前はイタリアのエスプレッソ文化にだいぶ触発されたけど、現在は日本にいかに洗練されたコーヒー文化があるかということが人々に明らかになりつつあるんです。」

「日本の[非エスプレッソ式抽出法による]コーヒーでもっとも刺激を受けるのはサービスの面です。日本では食べ物や飲み物を提供するのに非常に手間暇をかけてやるんです。

ちなみにFreeman氏のお気に入りの喫茶店は渋谷の茶亭羽當とのこと。日本の飲食産業のサービスがすごいという意見は海外では定着している感があるが、コーヒーも例外ではないということだろう。ただ、アングロサクソン式の金融サービスを日本に直輸入できないように(理由は違うが)、日本式の飲食サービスを外国にそのまま輸出するということも難しいようで、ニューヨークでは第三の波を「もったいぶった日本式過剰サービスの受け売り」として批判する向きもあるようだ(「何故ニューヨーカーは第三波コーヒーが嫌いか」)。私の素人分析では、こういう批判の背景には「安かろう不味かろうでもそれがアメリカのコーヒー文化だ」という負けず嫌い国粋主義(西海岸対東海岸だから地域主義?)と、「たかがコーヒーにそんなに大げさなことをしてぼったくるな」という庶民的な消費者感情とがあると思うのだが、前者はともかく、後者の批判は健全で、日本でも耳を傾けるべき点だと思う。特に日本の珈琲専門店ではコーヒーの抽出ひとつとってもプロ=職人の技というふうにとらえて価格をつりあげているところがあるように思う。「消費者にそういう付加価値を選択肢のひとつとして提供しているのだからありだ」という反論が予想されるが、私はそれでは結局、過剰に成熟した外食文化が花開いた東京やニューヨークに特異な現象ということで終わってしまい、世界に広く普及させることは不可能なのではないかと思う。外国人が日本の飲食サービスで感心するのはそれが普通の人には真似できない職人技だからではなく(もちろんそういう場合もあるが)、高品質のサービスが当たり前のこととしてバイトの学生やパートのおばさんによって広く国中で実践されているという点だということを思い起こせば、コーヒーをもったいぶった親爺の蘊蓄と切り離せないものにした日本の珈琲専門店文化の限界(少なくとも輸出されるサービスとしての)が見えてくるように思う。

実際問題、日本のコーヒー文化はあくまでインスピレーションの一つであって第三の波のすべてではないということは、前述の

産地での品質向上の取り組み
産地との直接取引
が日本の喫茶店文化には見られないということからも分かる。これは、抽出云々よりもコーヒーは豆(本当は豆ではないけど)が決め手だという当たり前のことからも帰結することだし、また近年のフェアトレード、生産者の顔が見える農産品という一連の流行の結果でもあるのだろう。例えば私が今家で使っている豆のパックの後ろには、エチオピアのどの地区のどの農場で誰がどうやってこのコーヒーを作ったのかということが(店で焙煎した人の名前とともに)簡単に記述されているし、上述の第三の波のコーヒー屋のホームページ等では、現地での生産の様子がビデオなどで見られる(イギリスでは南米の山奥でゲリラ活動を行っている人たちが資金作りのために作ったというコーヒー豆を買ったことがある)。


「ハリオグラス」=日本の「カルト」コーヒーメーカー?

長くなったので本題の
5. サイフォンやマニュアルドリップ式等のエスプレッソ以外の抽出方法の見直し
について書いて終わりにしたい。
日本ではペーパードリップ、ネルドリップ、サイフォンというのはコーヒー好きでなくても聞いたことがあるくらい知られていて、そこにエスプレッソ式のコーヒーがやってきたという歴史があるが、第三の波に乗ってこれらの抽出方式がアメリカやイギリス、北欧等で市民権を獲得しつつある。上に挙げた第三の波カフェでは、ほぼ例外なく日本のハリオグラス株式会社(東京都中央区)製の商品が使われたり売られたりしている。典型的な「第三の波式」は、カウンターに複数のハリオV60というドリッパーを自作の器具を使って並べて、注文を受けるたびに一杯づつフィルターコーヒーを提供するという方法だ。抽出の際にも、ハリオのドリップ用の細口やかんが使われ、サーバーもハリオだ。さらにBlue Bottleではサイフォンやネルドリップで淹れたコーヒーが飲めるというこだわりぶりだ。似たようなことはヨーロッパでも起きていて、特に北欧でのハリオの流行具合はこのNordic Coffee Cultureというブログで確認できる(ただしこのサイトはハリオではなくノルウェー製の製品を押しているようだ)。私の住んでいるエストニアというヨーロッパの東北地方のようなところでも、ハリオのサイフォン、細口やかん等が店頭に並んでいるカフェがひとつ(だけ)あり、その影響の余波を感じることができる。

このNew York Timesの記事によると、つい最近までアメリカでもハリオ製品は入手困難で、第三の波カフェの店頭で買うか日本に行く友達に頼むくらいしか方法がなかったのが、2010年の秋に大きな代理店が輸入を始めて、全国250以上の店舗とネットでハリオの買えるようになったのだという。同記事はハリオを「日本のパイレックスとも言えるガラス製造業の巨人」と形容している(上述のSan Francisco Weeklyの「日本のカルトコーヒー器具メーカー」というのと比べるとちゃんと調査しているということが分かる)が、海外での需要はもっぱらコーヒー関連器具なので、「日本のボダム」と言った方がしっくりくるかもしれない。「フレンチプレスといえばボダム」という公式が一般化した様に、世界中で「ドリップコーヒーといえばハリオ」という時代が近いうちに来るのか、それともコーヒーオタクの間のブームで終わるのか、注目していきたい(最近フェイスブックのページも立ち上げ、自らも「第三の波」を名乗り始めたようである)。

ちなみに私がハリオのV60というドリッパーで気に入っているのは、ネルドリップの味を「ご家庭で手軽に」というコンセプトで、いい豆を正しく淹れればおいしいコーヒーは比較的簡単に誰でも作れます、ということを公言しているところだ。第三の波の人たちの多くも同様のことを言っており、この点が、抽出は職人技であるかのような衒った日本の珈琲専門店文化や、高額なエスプレッソマシーンを買わなければ家庭でおいしいコーヒーが飲めないかのような錯覚を与えてしまった第二の波にはない可能性(商業的な意味でも、消費者と生産者を繋ぐという社会的な意味でも)を感じさせる所以ではないかと思う。

[注]念のためこの記事はハリオの製品をたくさん売ろうという意図のもとに書かれたものではないことを注記しておきます。ハリオグラスからの利益供与も受けていません(本当は受けたいのでハリオの営業の方がこれを見られたら是非連絡ください)。実はハリオの「スケルトンskerton」(英語の綴りが間違っているっぽいところが愛嬌)という手動のミルを父親に送ってもらって使っていたのですが、不具合があって東京のハリオの客相談窓口にメールしたところわざわざ無料でDHLで東京まで返送して新品と取り替えてもらったので恩が無いことはないんですが(おそらく送料の方が商品代より高くついた筈)。

いずれにしろ第三の波は色々な抽出方法を楽しむということでもあるらしく、ドリップに限らず最近流行のAeropress等の様々な抽出器具と方法がこのすてきなページで紹介されているので、興味のある方は参考にされたし。

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コーヒーに“サードウェーブ(第3の波)”が到来。一方で、スターバックスなど、セルフ式カフェに押されていた旧来型フルサービスの喫茶店が復活。コーヒー店をめぐる環境変化が、新しい競争を生み出しつつある。

 まず「第3の波」とは、米国初のコーヒー文化の新潮流のこと。カリフォルニアなど南海岸で興った流れを総称する呼び名で、2002年頃から使われるようになった。簡単にまとめると、豆の産地や農園を重視し、豆に合わせた焙煎をするなど、豆の個性を大切にした高品質なスペシャリティコーヒーを追求するのが特徴だ。「豆からカップまで」という標語が掲げられており、流通経路の透明性も大きなポイントとされている。

 ではセカンドウェーブ(第2の波)、さらにはファーストウェーブ(第1の波)とはどのような潮流だったのだろうか? 簡単に振り返ろう。

■ファーストウェーブ:1970年頃までの大量生産・大量消費の時代。真空パックの開発により、焙煎したコーヒーの遠距離流通が可能になった。低価格第一で、経済効率のよい浅煎りが好まれた。
■セカンドウェーブ:ファーストウェーブへの反動から、“味”を求める動きが活発化。深煎りムーブメントが起きる。1971年にスターバックスが誕生。タリーズなど、シアトル系コーヒーチェーンが世界を席巻。

 そして現在、日本にも定着しつつある第3の波は、第2の波で始まった味への追求を進化・深化させた動きといってよいだろう。昨年は、日本発のサードウェーブ系のコーヒー店が都心を中心に続々とオープン。たとえば東京・渋谷には「FILBERT STEPS」が新規開店、軽井沢の人気店「丸山珈琲」は世田谷に出店するなど、大規模チェーン店とは一線を画すオリジナルな店舗に客が集まっている。

 だが、こうした新潮流が、スターバックスなど第2の波の流れをくむセルフ式チェーン店を脅かしているかといえば、今のところそうではないようだ。1000店舗越えが目前に迫るスターバックスは、昨年も好調を維持。今期の売上高営業利益率は約8%と、過去最高を見込む。とはいえスタバの敵は、第3の波だけではない。旧来型のフルサービスの喫茶店が復活を遂げつつあるからだ。

 昨年、急成長を遂げた「コメダ珈琲店」。業界3位のタリーズコーヒーの店舗数を、今年度中に抜く勢いだ。昨年11月には銀座ルノアールがキーコーヒーとの資本・業務提携を発表、団塊の世代をターゲットにした「ミヤマ珈琲」を軸に全国展開へと打って出ると宣言した。ドトール・日レスホールディングスは昨年3月から、フルサービス式の新業態「星乃珈琲店」の展開を開始。これらはいずれも、時間と財布に余裕のあるシニア層を取り込み、フード類を充実させるなどして、客単価の底上げに成功している。

 興味深いことに、米国の第3の波系のコーヒー店オーナーや焙煎業者たちのなかには、日本の喫茶文化に影響を受けた人がいるという。『フードスタジアム』編集長の佐藤こうぞう氏も、第3の波の広がりと、喫茶店復活の背景を分析するなかで、両者の親和性も指摘する。

「まず、第3の波の特徴である“豆へのこだわり”は、すべての農作物に共通する流れです。野菜も、生産者の顔が見える安心なものが選ばれるようになってきた。豆も、誰がどこで作ったものかが、問われるようになってきた。美味しいだけでは十分でない。高品質でオープンなものが求められる時代に、第3の波が受け入れられるのは自然なことです。

 また、客は、コーヒーの味だけを求めているわけでない。丁寧なサービス、ゆったりとした空間など、チェーン店では味わえない、コーヒーにまつわる総体を楽しみたいという欲求も高まっています。最近増えているこだわりの店や喫茶店は、こうしたニーズを掬うことで、復活したと言えるでしょう」

 だが、高品質化が進んでいるとはいえ、コーヒー単価は安い。だからこそ店舗の成功には、コーヒー以外がカギを握ると佐藤氏は指摘する。

「トーストやスイーツなど、その店の目玉商品を作ることで、客単価を上げることができる。それはオーナーのメッセージにもなり、他店との差別化にもつながる。コーヒー店ではありますが、サイドメニューの充実が重要になってくるはずです」

 アルビン・トフラーは世界的ベストセラーとなった『第三の波』の中で、経済の動きを“波”としてとらえ、新しい潮流が古い文化や社会を押し流すと言った。いまだ堅調の第2の波系vs新顔の第3の波系vsよみがえった喫茶店――業界のパイ拡大を推し進めながらも3者入り乱れた戦いは激化し、日本のコーヒー文化は進化していきそうだ。
 「スターバックス」や「タリーズ」など、セルフ式のコーヒーチェーンの出店攻勢が続く中、昔懐かしい純喫茶が、再び脚光を浴びようとしている。団塊の世代の企業戦士が引退し、自宅近くでのんびり過ごすようになれば、ゆっくりと時間を過ごせる純喫茶の需要も増えるはず-。純喫茶の売り上げの低落傾向が続く中、喫茶業界は新たな可能性を模索する。 (伊東浩一)

 「座席が大きくて長居できる雰囲気がいい」。埼玉県朝霞市に昨年十二月二十一日にオープンした「ミヤマ珈琲」朝霞本町店。隣の新座市に住む男性(62)はコーヒーを飲みながら新聞の朝刊に隅々まで目を通していた。

 ミヤマ珈琲は、東京都心を中心にビジネスマン向けの喫茶店「ルノアール」を百十店舗展開する喫茶チェーン「銀座ルノアール」(東京)が手掛ける郊外型の新店舗。九十八席のうち七十六席が友人とのおしゃべりに適した間仕切りのあるボックス席だ。七十台分の駐車場もある。

 午前七~十一時にはコーヒー一杯の価格(四百円)でトーストとゆで卵も食べられる「モーニングサービス」を提供。中高年がゆっくりとした時間を過ごす。

 銀座ルノアールは、今後はルノアールに通ったビジネスマンが定年退職し、自宅近くの郊外で生活するようになると予想。現在は一店舗のミヤマ珈琲を積極的に出店し、ルノアールと合わせ店舗数を五年間で倍増させたい考えだ。

 その銀座ルノアールに、主に個人店を相手にコーヒー豆を納入し経営指導も行うキーコーヒー(東京)も注目する。銀座ルノアールの筆頭株主の企業を買収し、月内にも筆頭株主となる見込みだ。キーコーヒーの担当者は「ルノアールとミヤマ珈琲で培ったノウハウを個人店にも広めたい」と意気込む。

 このほか、昨年末には、アジア大手買収ファンドMBKパートナーズが昔ながらの喫茶店の雰囲気を売りにする「コメダ」(名古屋市)の買収に乗り出し話題に。業界内では「高齢化による純喫茶の成長を見越している」(関係者)とみられている。

 関西では、純喫茶十三店舗を構える「小川珈琲」(京都市)の昨年の売り上げが前年比2%増と堅調。「人とコミュニケーションを求めて来店する高齢者も多い」(担当者)ため、客の顔と好みのメニューを覚え、コーヒーの味などの話題も提供するよう、店員教育に力を入れている。

<純喫茶> 酒類を販売しない喫茶店を指す。大正から昭和にかけて酒類を提供し、女性従業員が接客をするカフェー(特殊喫茶)が流行したことから、区別するためにそう呼ばれるようになった。現在は、昔ながらの喫茶店を強調する意味で使われることが多い。

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